ISO 9001の序文0.3プロセスアプローチには以下の記載があります。
プロセスアプローチは,組織の品質方針及び戦略的な方向性に従って意図した結果を達成するために,プロセス及びその相互作用を体系的に定義し,マネジメントすることに関わる。PDCAサイクル(0.3.2参照)を,機会の利用及び望ましくない結果の防止を目指すリスクに基づく考え方(0.3.3参照)に全体的な焦点を当てて用いることで,プロセス及びシステム全体をマネジメントすることができる。
品質マネジメントシステムでプロセスアプローチを適用すると,次の事項が可能になる。
a) 要求事項の理解及びその一貫した充足
b) 付加価値の点からの,プロセスの検討
c) 効果的なプロセスパフォーマンスの達成
d) データ及び情報の評価に基づく,プロセスの改善
プロセスアプローチはISO9001規格の中心的な概念であり、組織が意図する結果を達成するためにプロセスを体系的に定義し、その相互作用を理解し、改善する方法を提供しています。具体的は、「4.4品質マネジメントシステム及びそのプロセス」に書かれています。
4.4.1 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
組織は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなければならない。また,次の事項を実施しなければならない。
a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待さ
れるアウトプットを明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断
基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を
決定し,適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを
確実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確
実にするために必要な変更を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
a)~e)の5項目の要求事項は「組織のプロセスを体系的に定義」して「相互作用を理解」することであります。その概念は、序文0.3.1の「図1-単一プロセスの要素の図示」で示されていますが、よりプロセスを可視化して理解が深まるツールとして、タートル図を活用するのも良いかもしれません。以下に弊方が作成したタートル図の様式を記載しますので、参考にして下さい。
<タートル図 様式>
タートル図はプロセスを可視化できるので、以下の場面で活用するのが効果的であると考えます。
・新人教育として、自らの職場のプロセスを理解してもらうための教育資料とし
て使用する。
・新人教育として、職場研修を数か月実施した後の研修効果を把握するために新
人に作成してもらう。
・部門の担当者に、自らのアウトプットを認識させプロセスの振り返りや成果
MAX化を狙うツールとして活用する。
・内部監査員として、被監査部門のプロセスを理解しチェックリスト項目を出す
ために作成する。
上記以外にも様々な改善活動の中で、有効に活用できるツールですので是非一度お試し下さい。