カテゴリー: 番号ISO14001

  • 環境マネジメントシステムの意図した成果とは

    環境マネジメントシステムの意図した成果とは

    ISO14001(2015年版)の規格には、沢山の箇所に「環境マネジメントシステムの意図した成果」という記載があります。この文言は言葉の通り環境マネジメントシステムの成果を示すものであり、システムを運用する最終目的・期待値を表しています。環境マネジメントシステムを効率的・効果的に運用するためには、意図した成果が何かを理解することが組織としては重要になります。
    ISO14001(2015年版)の規格には、「0.2.環境マネジメントシステムの狙い」に以下の記載があります。

    この規格の目的は,社会経済的ニーズとバランスをとりながら,環境を保護し,変化する環境状態に対応するための枠組みを組織に提供することである。この規格は,組織が,環境マネジメントシステムに関して設定する意図した成果を達成することを可能にする要求事項を規定している。

    また、「1.適用範囲」に以下の記載があり、環境マネジメントシステムの意図した成果が明確に説明されています。

    この規格は,組織が,環境,組織自体及び利害関係者に価値をもたらす環境マネジメントシステムの意図した成果を達成するために役立つ。環境マネジメントシステムの意図した成果は,組織の環境方針に合して,次の事項を含む。 

    ー 環境パフォーマンスの向上

    ー 順守義務を満たすこと

    ー 環境目標の達成

    具体的に上記3項目は、以下の内容になります。

    1.環境パフォーマンスの向上

    組織は、自身の活動やプロセスが環境へ与える影響を理解し、それらの影響を減少させるための努力を行います。これにより、大気、水、土壌などの自然環境への負荷を軽減し、生態系への影響を最小限に抑えます。廃棄物の適切な管理やエネルギーの効率的な使用など、具体的な行動を通じて環境への負荷を低減し、持続可能な事業運営を追求します。

    2.順守義務の満たすこと

     ISO 14001は、環境法規制や規制要件の遵守を重視します。組織はこれらの法的要件を遵守し、環境に関する法的な責任を果たします。適切な許認可の取得や報告書の提出など、法的な要件を順守することで、環境への影響を管理し、法的リスクを回避します。

    3.環境目標の達成:

    組織は、環境に関する具体的な目標を設定し、それらの目標を達成するための計画を策定します。これには、廃棄物の削減、再生可能エネルギーの導入、炭素排出量の低減などが含まれます。環境目標の達成に向けた取り組みを通じて、環境への影響を持続的に改善し、持続可能な未来を築く一環となります。

    ISO 14001の意図した成果は、「環境パフォーマンスの向上」、「順守義務を満たすこと」、「環境目標の達成」を通じて、組織が環境に対する責任を果たし、社会的、環境的な側面で持続可能な運営を達成することを指します。

  • 最新動向!ISO 14000の改訂と環境マネジメントの新たな潮流

    最新動向!ISO 14000の改訂と環境マネジメントの新たな潮流

    SO 14000ファミリー規格は、環境マネジメントシステムに関する国際規格群として、持続可能な社会の実現に寄与しています。近年、この規格群においていくつかの重要な動きが見られます。

    1. ISO 14001の改訂予定

    ISO 14001は、環境マネジメントシステムの要求事項を定めた主要な規格です。現在、2025年から2026年にかけての改訂が予定されています。具体的な改訂内容はまだ公表されていませんが、組織は最新情報を定期的に確認し、現行のシステムを見直す準備を進めることが重要です。

    2. 気候変動への配慮の追加

    2024年2月23日、既存のISOマネジメントシステム規格に対し、気候変動に関する文章が追加されました。具体的には、附属書SLの箇条4.1「組織及びその状況の理解」と箇条4.2「利害関係者のニーズ及び期待の理解」に、気候変動が関連する課題や利害関係者の要求事項として考慮されるべきことが明記されました。これにより、組織は気候変動を環境マネジメントシステムの重要な要素として取り組む必要性が高まっています。

    3. ISO 14000ファミリー規格の開発状況の更新

    日本規格協会は、2024年8月1日付で「ISO 14000ファミリー規格の開発状況」を更新しました。この更新では、ISO 14001の追補2の情報や、他の関連規格の検討状況が掲載されています。環境マネジメントに携わる組織は、これらの動向を注視し、適切な対応を検討することが求められます。

    これらの動きは、環境マネジメントシステムの効果的な運用と持続可能な社会の実現に向けた組織の取り組みを促進するものです。最新の情報を適宜確認し、組織の環境マネジメントシステムを継続的に改善していくことが重要です。